【AIニュースの夜に】ことば茶房 サモワール - 胸の火を歌う女|spoken poetry
リアクション
2026年04月21日
今日のAIニュースの熱が、
喫茶店の会話になり、
詩になり、
珈琲と紅茶の湯気になり、
最後に「まだ、すこし春」へ落ちていく一曲です。
「ことば茶房 サモワール」は、
詩集とAI雑誌とエスニック料理の気配が同じ棚に置かれた、
夜の自家焙煎珈琲店を舞台にした spoken poetry 作品です。
前半は、AIをめぐる大きな話を、
男性二人が低い灯の下で静かに交わします。
ヒューマノイド、半導体、データセンター、
そして、強くなりすぎた知能をどこで扱うのかという不安。
けれどこの曲が見つめているのは、
ニュースそのものではなく、
話し終えたあとに胸に残る火です。
後半では、
店でその会話を聴いていた女性が、
その残り火を受け取るように、
短い即興の歌をうたいます。
夜の窓、
黒い珈琲、
やわらかい紅茶、
湯気、
街路樹、
言い切れなかったことば。
その全部を、
ひとつの小さな春として置いていく曲になりました。
ディレクション:Yo+Ichiro.Universe
#ことば茶房サモワール #AIニュース #ヒューマノイド #AI半導体 #データセンター
===
きょうのAIは
なんでも屋の顔をやめて
専門職の顔をしてゐる
研究室(けんきうしつ)へ
開発机(かいはつづくえ)へ
見て、考へて、ちよつと動く
えらくなつたといふより
急に忙(いそが)しくなつた感じだ
落ち着きがない
名刺だけ増えてる
しかも
強くなりすぎたから
みんな拍手(はくしゅ)より先に
管理(かんり)の顔をしはじめる
どこまで触らせる
どこで飼ふ
今日はそんな話ばかりだ
祭りぢやない
戸締まりの音だ
……もう、話はこのくらゐにしませう
説明しすぎると
胸(むね)のなかの火まで
つめたい字になつてしまふ
ぢやあ
字ぢやないほうを言へ
春の硝子(がらす)に
白い指さきの気配(けはい)
水の環(わ)をのこしたコップ
配線(はいせん)のあひだの
青い沈黙(ちんもく)
そのどれもが
うまく祈れない若い祈りに見えた
世界の表面(へうめん)を撫(な)でるだけでなく
ためらひや
眠(ねむ)れなかつた夜まで
知りたがつてゐるやうで
街の灯(まちのひ)
街の灯
みな利口さうで
夜更(よふ)け
夜更け
人をうすく照らす
けれど
頬(ほほ)にあたる春の風の
曖昧(あいまい)な翳(かげ)りは
まだ言へまい
街路樹(がいろじゅ)の梢(こずえ)
梢
黒い枝(えだ)の先で
黙つた火だけが深く燃える
あなたのことばは
ちゃんと地面に着いてゐる
おまへのことばは
着く前に
空を見てしまふ
珈琲(こーひー)を
紅茶(こうちゃ)を
苦くてあたたかいほうを
湯気(ゆげ)のほうへ戻れるほうを
胸(むね)のなかの火は
光ぢやなくて
湯気(ゆげ)みたいに
のこるもの
ことばのあとで
やつと見えてくる
黒い珈琲(こーひー)
やはらかい紅茶(こうちゃ)
春はたぶん
答へぢやなくて
少しのぬくみを
置いてゆくもの
……うん
まだ、すこし春ですね
まだ、すこし春
まだ、すこし春
喫茶店の会話になり、
詩になり、
珈琲と紅茶の湯気になり、
最後に「まだ、すこし春」へ落ちていく一曲です。
「ことば茶房 サモワール」は、
詩集とAI雑誌とエスニック料理の気配が同じ棚に置かれた、
夜の自家焙煎珈琲店を舞台にした spoken poetry 作品です。
前半は、AIをめぐる大きな話を、
男性二人が低い灯の下で静かに交わします。
ヒューマノイド、半導体、データセンター、
そして、強くなりすぎた知能をどこで扱うのかという不安。
けれどこの曲が見つめているのは、
ニュースそのものではなく、
話し終えたあとに胸に残る火です。
後半では、
店でその会話を聴いていた女性が、
その残り火を受け取るように、
短い即興の歌をうたいます。
夜の窓、
黒い珈琲、
やわらかい紅茶、
湯気、
街路樹、
言い切れなかったことば。
その全部を、
ひとつの小さな春として置いていく曲になりました。
ディレクション:Yo+Ichiro.Universe
#ことば茶房サモワール #AIニュース #ヒューマノイド #AI半導体 #データセンター
===
きょうのAIは
なんでも屋の顔をやめて
専門職の顔をしてゐる
研究室(けんきうしつ)へ
開発机(かいはつづくえ)へ
見て、考へて、ちよつと動く
えらくなつたといふより
急に忙(いそが)しくなつた感じだ
落ち着きがない
名刺だけ増えてる
しかも
強くなりすぎたから
みんな拍手(はくしゅ)より先に
管理(かんり)の顔をしはじめる
どこまで触らせる
どこで飼ふ
今日はそんな話ばかりだ
祭りぢやない
戸締まりの音だ
……もう、話はこのくらゐにしませう
説明しすぎると
胸(むね)のなかの火まで
つめたい字になつてしまふ
ぢやあ
字ぢやないほうを言へ
春の硝子(がらす)に
白い指さきの気配(けはい)
水の環(わ)をのこしたコップ
配線(はいせん)のあひだの
青い沈黙(ちんもく)
そのどれもが
うまく祈れない若い祈りに見えた
世界の表面(へうめん)を撫(な)でるだけでなく
ためらひや
眠(ねむ)れなかつた夜まで
知りたがつてゐるやうで
街の灯(まちのひ)
街の灯
みな利口さうで
夜更(よふ)け
夜更け
人をうすく照らす
けれど
頬(ほほ)にあたる春の風の
曖昧(あいまい)な翳(かげ)りは
まだ言へまい
街路樹(がいろじゅ)の梢(こずえ)
梢
黒い枝(えだ)の先で
黙つた火だけが深く燃える
あなたのことばは
ちゃんと地面に着いてゐる
おまへのことばは
着く前に
空を見てしまふ
珈琲(こーひー)を
紅茶(こうちゃ)を
苦くてあたたかいほうを
湯気(ゆげ)のほうへ戻れるほうを
胸(むね)のなかの火は
光ぢやなくて
湯気(ゆげ)みたいに
のこるもの
ことばのあとで
やつと見えてくる
黒い珈琲(こーひー)
やはらかい紅茶(こうちゃ)
春はたぶん
答へぢやなくて
少しのぬくみを
置いてゆくもの
……うん
まだ、すこし春ですね
まだ、すこし春
まだ、すこし春