米国株|3日続落を止めたのは財務省…でもテックは−1.07%|モデルナ1日+177%とMarvell×Googleの122億ドル【2026年8月20日】

ゴリラの米国投資NEWS
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2026年08月20日
8月19日の水曜、3日続いた下落がようやく止まりました。S&P500は+0.21%の7,707.98、ダウは+0.22%の53,463.05、NASDAQ総合も+0.16%の26,331.09。3つそろってプラスです。

ところが中身は逆でした。情報技術のセクターは−1.07%。大型テックが中心のNASDAQ100は−0.20%で、同じNASDAQという名前なのに符号が割れています。上げたのはヘルスケア+3.51%、一般消費財+1.92%、素材+1.43%。しかも金利を押し下げたのは業績でもFRBでもなく、財務省の買い戻しでした。

今日のテーマは「指数は戻った 中身は入れ替わった」です。後半では1日で+176.97%動いたモデルナと、主役ではなくつなぎ役に値段が付いたMarvell×Googleの契約も開きます。

▼8/19(水)のマーケット
・S&P500 7,707.98(+16.22pt・+0.21%)=3日続落が止まる
・NASDAQ総合 26,331.09(+41.38pt・+0.16%)/ダウ 53,463.05(+119.65pt・+0.22%)=日中は一時+360ptまで上げた
・★NASDAQ100 −0.20%=総合指数とは符号が逆
・米30年債 5.19%(−9bp)/米10年債 4.65%(−5bp)/同日の20年債160億ドルの入札は不調
・11セクターは6つが上昇して1つが横ばい、4つが下落
 上昇: ヘルスケア+3.51%/一般消費財+1.92%/素材+1.43%/生活必需品+1.12%/不動産+0.81%/通信サービス+0.76%
 横ばい: 公益0.00%
 下落: エネルギー−0.16%/金融−0.62%/資本財−0.88%/情報技術−1.07%
・VIX 14.89(−6.00%)/金 4,493ドル(+3.66%)/WTI原油 84.66ドル(+0.32%)

▼★3日続落は止まった — でも下がったのはテックだった
・ふつうは一番下がっていたものが戻る。この数日押し下げていたのはテックだった
・それが戻らず、上げたのはヘルスケア・一般消費財・素材=守りと内需の側
・NASDAQ総合+0.16%に対しNASDAQ100は−0.20%。同じ日に符号が分かれた
・大型テックが下がり、その外側の会社が広く上がったときに出る形

▼立役者は財務省 — 長期債の買い戻しを倍増
・9月9日から10〜30年債の買い戻しを少なくとも倍に。暫定で11月4日まで
・従来計画は9〜11月で累計140億ドル・1回20億ドルが上限だった
・買い手が増える→債券の価格が上がる→利回りは下がる
・結果 30年債は−9bpの5.19%、10年債は−5bpの4.65%(30年債は今週2007年以来の高さをつけた直後)

▼なぜ長期の金利が下がると株は上がるのか
・借りるコスト=住宅ローンと企業の長期の設備投資の値段が決まる
・割高感=安全な国債で高い利回りが取れるほど、株を持つ理由が薄れる
・政府の利払い=公告の数日前に払った利息はおよそ850億ドル(過去のデータで最大)
・つまりこの数日の株安の主因は、企業の業績ではなく金利だった

▼それでも上値は重い — 同じ日に20年債の入札は不調だった
・160億ドルの20年債入札は不調。長い債券を欲しがる買い手は戻っていない
・ダウは日中の+360ptから終値+119ptまで縮んだ
・買い戻しの期限は11月4日まで。財政への不安とインフレへの警戒は消えていない
・重しは軽くなった。でも無くなってはいない

▼ゴリラの見方 — 債務は消えず「短い方」へ移った
・カードでお金を作って住宅ローンを先に返しても、どちらも同じ人の借金
・赤字は減らず、満期が長い方から短い方へ移るだけ。借り換えの回数は増える
・見ておくべきは金額よりも「政府が長期の金利を気にしていると認めた」姿勢
・次の分かれ目は、FRBが反応の道筋を示すか/企業のAI投資向けの発債が止まるか

▼★モデルナが1日で+177% — mRNAのがん治療で初の第3相成功
・62.96ドル→174.38ドル=+176.97%。会社の歴史で最大の1日の上昇
・メルクと共同開発してきた個別化がんワクチンが、最終段階の第3相で好結果
・mRNAという技術を使ったがん治療で第3相がうまくいったのは、これが初めて
・メルクも+12.60%。ヘルスケアは11業種で最大の上げになった

▼空売りが負けた日 — 損の上限が ある側と ない側
・買って持つ側の損は最大−100%。0円で床に当たって止まる
・空売りの損に天井はない。2倍で−100%、3倍で−200%、今回の約2.8倍で−177%
・空売り勢の含み損はこの1日でおよそ55億ドル、累計はおよそ77億ドルと報じられた
・会社の値段は計算できる。でも試験の成否と、その日付は選べない

▼Marvell × Google — 122億ドル分のワラント
・7月29日にカスタム半導体の商業契約、8月18日にGoogleへワラントを発行
・行使価格は1株206.58ドル、買える株数は最大およそ5,900万株=全部行使で約122億ドル
・対象はTPU周りのAI推論の加速装置と、記録・通信・記憶をつなぐ各種の制御チップ
・Marvellの株価は一時+14%まで上げた

▼買うほど権利が確定する設計 — なぜGoogleは今Marvellなのか
・ワラントは240トランシェに分割。Googleが払う売上5億ドルごとに1つ確定する
・期間は2027年度の第3四半期から2033年度の終わりまで。累計最大1,200億ドルの規模
・初年度の時間ベース約136万株を除き、大部分は実際の購入が起きたあとにしか解禁されない
・GoogleはTPUをクラウドの土台に育て、計算のコストを下げ、単一のGPU依存を薄めたい
・あるアナリストの予想ではGoogleのTPU関連の基盤事業の収入は今年およそ30億ドル、2027年に約250億ドル

▼これは循環取引なのか — Broadcomの−5.9%が答えている
・形は似ている(客が買う→供給側の売上が伸びる→株価が上がる→客がその株を安く買える)
・ただしGoogleは行使価格を払い、解禁は購入のあと。約束だけで先に価値は渡らない
・市場が売ったのはBroadcom(一時−5.9%)=後ろの設計を独り占めしていた立場
・NVIDIAも弱含み。自社で設計した半導体が広がるほど、汎用のGPUが置き換わる

▼小売の二極化 — Targetは引き上げ Lowe'sは慎重
・Targetは四半期が市場予想を超え、通期の見通しを引き上げ、全部門で売上が伸びた
・CEOフィデルケ「これまでの進展には勇気づけられる。ただしやるべき仕事はまだ多い」
・Lowe'sは調整後EPS 4.27ドル(予想4.22ドル)で上振れ。それでも株価は−約2%
・売られた理由はDIY需要の圧迫を挙げた慎重な見通し=これからの弱さ
・住まいに関わる大きな支出は後ろへ回り、日用品と衣料は普通に買われている

▼カナダへの50%関税を3日間停止 — 通商政策が戻ってきた
・「書類の最終化を条件に合意した」と説明。止まっているのは3日間だけ
・輸入のコストが上がらずに済むのは、株にとって素直な安心材料
・ただし恒久的な撤回ではなく交渉のための停止。まとまらなければ再発動される
・この8月を動かしたのは金利・原油・消費。そこに通商政策が戻ってきた

▼今週の関門
・★8月27日 ジャクソンホール — 政策の道筋が示されるか
・残る小売の決算 — 消費の二極化がさらに裏づけられるか

▼チャプター
0:00 オープニング
1:02 マーケット概況 — 3日続落が止まる 立役者は財務省
2:38 3日続落は止まった — でも下がったのはテックだった
3:50 立役者は財務省 — 長期債の買い戻しを倍増
5:22 なぜ長期金利が下がると株は上がるのか
6:40 それでも上値は重い — 同じ日に20年債の入札は不調だった
7:43 ゴリラの見方 — 債務は消えず「短い方」へ移った
9:10 モデルナが1日で177% — mRNAのがん治療で初の第3相成功
10:31 空売りが負けた日 — 人の進歩は空売りできない
11:52 Marvell × Google — 122億ドル分のワラント
13:12 買うほど権利が確定する設計 — なぜGoogleは今Marvellなのか
14:33 これは循環取引なのか — Broadcomの−5.9%が答えている
16:09 小売の二極化 — 上方修正と慎重な見通しが同じ週に並んだ
17:45 カナダへの50%関税を3日間停止 — 通商政策が戻ってきた
19:14 ゴリラの結論 — 指数は戻った 中身は入れ替わった
20:45 アウトロ

▼今日のキーワード
「指数は戻った 中身は入れ替わった」
指数はたくさんの会社の平均です。平均が元の水準に戻っても、その中の並びは静かに入れ替わっていることがあります。この日はまさにそれでした。3日続落は止まったのに、戻したのはテックではなくヘルスケアと内需。金利が下がったのも業績のおかげではなく、財務省が長い国債を買い戻すと決めたからでした。数字の上では回復に見えて、中では主役が交代している。だから指数の数字を見て終わりにせず、中身を一段だけ開けてみる価値があります。

▼本日のゴリラ哲学
「平均が戻っても 中の並びは入れ替わっている」
投資家として持ち帰りたいことは3つあります。1つめは、人の進歩を空売りしないこと。会社の値段が高いかは計算できても、試験がうまくいくかは計算できず、その日付も選べません。上に上限のない賭けの反対側には立たないほうが賢明です。2つめは、主役が2つに割れるときは、あいだをつなぐ会社を見ること。どちらが勝つかを当てにいくより、両方をつなぐ場所に静かな需要が生まれます。3つめは、消費を良いか悪いかで見ないこと。同じ人が日用品は買い、家の工事は待っている。その分かれ目に次の決算の答えがあります。

▼注記
この動画はゴリラ個人の見方であって、特定の銘柄をすすめるものではありません。投資はご自身の判断でお願いします。

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