自民党圧勝の要因は「新しいリベラル」?ラピダス進出で激変するマチから見える政治の転換点…選挙に関心がなかった子育てママが重視する“未来への投資”

HBCニュース 北海道放送
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2026年05月03日
発足から半年を迎えた高市政権。先の衆院選で、その基盤をより盤石なものとしました。専門家はその背景について、「新しいリベラル」という支持層があると指摘します。一体どんな人々で、高市総理に何を期待しているのでしょうか。

■圧勝“高市旋風”の要因「新しいリベラル」とは
2026年2月の衆院選、全国で吹き荒れた高市旋風。野党が強いとされる北海道でも、自民党が圧勝しました。

北海道大学大学院(経済学)橋本努 教授
「日本の政治の回答傾向、政治の意識は6つに分かれる。新しいリベラルは全体の23%で最多数派だった」

橋本教授は、高市旋風の要因について、「新しいリベラル」という層が重要なカギを握っていると指摘します。

政局を左右する「新しいリベラル」とはいったい何なのか。高市政権は彼らの期待に応えられるのでしょうか―。

■“選挙関心なかった”母親が…
髙橋智也 記者
「市内の各地で再開発が進む千歳市です。実はここに新しいリベラルを探すヒントがありそうです」

先端半導体の量産を目指すラピダスの進出をきっかけに、マチが激変している千歳市。

市内には45もの企業が増え、賃貸マンションは184棟2400戸が新築。オフィスやホテルも急増しています。

それに伴い、市民税や法人税、固定資産税で、市の税収は合わせて40億円以上増えました。

千歳市 森周一 企画部長
「住んでいる住民が暮らしやすいような、環境を確保しなければならない。第2子の保育料の無償化ももともとニーズとしてはあった」

増えた税収を原資に、市は小学生の給食費や第2子以降の保育料を無償化するなど、子育て世帯に重点を置いた施策を次々に打ち出しています。

子育て中の母親
「(千歳は)児童館とか支援センターとかもたくさんあるし、支援してくれるので、子育てしやすい環境かな」

子育て中の母親
「次世代の人に向けて生活しやすいよう整えてくれて、今後やりやすくなるのでありがたい」

子育て中の母親
「千歳は大きい街だと思うが、いろいろ建物が新しくなって町自体が明るくなっているのかな」

■出産を機に人口減少や子育て支援の政策を重視
千歳市に住む会社員、中村文香さん。

これまで、特定の政党を応援することはありませんでしたが、出産を機に、人口減少や子育て支援の政策を重視するようになったと言います。

千歳市在住 中村文香さん
「子どもが生まれる前までは選挙にあまり関心がなかったが、子育てに力を入れてもらえる候補者に託したい。子どもたちと同じ世代の子たちが減っていくというのはすごく心配というか」

こうした、次世代への支援を求める姿勢こそが、「新しいリベラル」の特徴と指摘するのが、北海道大学大学院の橋本教授です。

■「なるべく子育て世帯を支援」という考えが“新しいリベラル”
北海道大学大学院(経済学) 橋本努 教授
「少子化で日本はこれからどんどん経済も衰退していく、そういったことに危機感を抱いている。なるべく子育て世帯を支援していくべきと、そういった考えを持っているのが新しいリベラル」

先の衆院選で、次世代への投資を呼びかけようと、力強いメッセージを届けたのが、高市総理でした。

高市総理
「とにかく挑戦しない国に未来はありませんよ。北海道はまだまだ伸びますよ」

高市総理が北海道4か所で応援演説した内容を分析し、単語の出現頻度を可視化したものです。「日本」に並ぶほど「投資」が大きく目立ち、「未来」という文字も目を引きます。

高市総理(1月・札幌市手稲区)
「いま日本がシュリンク(縮小)している大きな理由が行き過ぎた緊縮志向や、そしてこの未来への投資不足。一緒にいま生きている世代も次の世代も、安全で豊かな日本で幸せになろう」

■高市政権の重点投資の対象は半導体
高市政権が重点投資の対象に掲げるのが、半導体です。

国策で国内産業を活性化させ、次世代が潤う。千歳市は、その試金石となっています。

北海道大学大学院 橋本努 教授
「高市政権は一番重視したのは『環境技術立国』。こういった考え方は次世代の支援にもなる。新しいリベラルの人たちも共感したのでは」

従来、保守とリベラルの二元論で語られることが多かった政治思想。橋本教授によりますと、従来のリベラルは、憲法9条の改正に反対、高齢者や貧困層の支援を支持する傾向にあります。

しかし、長引く経済不安や少子化を背景に、子育て世代への支援や経済発展をより重視する人たちが、リベラルから新しいリベラルにシフトしていると指摘します。

中道改革連合 逢坂誠二氏(2月衆院選)
「勝つことができず、申し訳ありません」

中道改革連合の結成は「選挙目当て」との批判が集まり、次世代への投資を呼びかけた高市総理率いる自民党が躍進したと分析します。

北海道大学大学院(経済学) 橋本努 教授
「投資はうまくいかない投資のほうが多いはず。これまでの日本の産業政策をみても、うまくいった政策もあるが、失敗している政策もたくさんある」

責任ある積極財政を掲げ、投資を推し進める高市政権。

足元では物価高やイラン情勢の緊迫化など、先行きの不透明さも漂います。

次世代への投資を期待する新しいリベラルに応えられるのか、高市総理の手腕が問われています。

■新しいリベラル…次世代への支援をより重視
森田絹子キャスター:
北大の橋本教授は、政治の意識を分類した場合、「新しいリベラル」という層が多数派を占めていると指摘します。少子化や景気の停滞感から、20代、30代という子育て世代だけではなくて、幅広い世代にわたって、次世代への支援をより重視するという人々が増えているということです。

堀啓知キャスター:
この分析、アンヌさんはどう見ますか。

コメンテーター アンヌ遥香さん:
先日の選挙の時も特番でお邪魔しましたけれども、その時に思ったのは『ここまで自民党が大勝するとは』ということでした。正直びっくりだったというのはありますけれども、北海道は本来は、いわゆる旧民主党的なものというか、リベラル層が強いと言われていたじゃないですか。だから、本来のリベラル層が、本当に入れたいと思える政党が正直なかった、もしくは票が分散したというのも、今回の結果につながっているんじゃないかなと思います。政治というのは本来、色んな声があって道を決めていくのが正しいんじゃないかなと個人的には思いますので、どこかに一極集中というのは体質としてどうなのかなと、個人的には考えるところもあります。色んな声が反映されたらそれが一番なんですけど、なかなか難しいですね。

堀キャスター:
寺井さんはちょうど子育て世代ですけれども、いかがですか。

コメンテーター 寺井裕美子さん:
最近はみるみるうちに、子どもに食べさせてあげたい果物とか野菜が高くなっていて、そんな中でやはり子育てに対する不安がすごくあります。期待することとしては、地域によって受けられる手当だったり、保障の地域格差がなくなっていくといいなあっていうのは思っています。どこに生まれても、子どもたちが未来を信じて生きていくためには、大人も前向きにいろいろ挑戦したりとかが、できるような社会になるといいなと思います。

堀キャスター:
確かに税収が多い自治体の方が補助も多かったり、そこに差が出てくるわけですけれども。選挙は投票の時だけじゃなくて、その後にも関心を持つことが大事かなと思うのは、未来とか投資とかっていい響きなんですが、大事なのは何にいくら投資して、その結果どうなったのかということで、まさに責任ある積極財政ってそこだと思うんですよね。ですので、有権者として我々は常に関心寄せていく、政治に緊張感を持たせていくということも併せて大事かなと思いますね。